「イーラ/ERA reel-12」を振り返って

2023年10月4日(水)～10月8日(日)
ギャラリー・アビィにて開催

2019年から10年計画・全22回の予定で取り組んでいる個展シリーズ「イーラ／ERA」は今回が後半戦・残り11回の初っ端というカタチでスタートしました。しかも僕にとって2001年の初個展から数えて50回目となる節目の個展・・・！

母親の死とそれ以降の光景でまとめたイーラ11が内容的にこれで最終回ならキレイだったのにな…と思うほど、自分として最上のまとまり方で「次回へ続く」となったものですから、第12回目を作るにあたってこれまでにないプレッシャーがあったのも事実でした。

愛用してきたカメラが撮影開始序盤に故障する不運に見舞われ、手になじむ機材セッティングが見つかるまでカメラやレンズが何機種もコロコロ変わったこともあり「これだ！」という1枚が撮れないままズルズルと盛り上がりのない撮影が続いたのも想像以上に苦しかったです。

「これでちゃんと面白いものが出来るのか？」という自問自答を繰り返すなかでの個展スタートとなりましたが、蓋を開けてみればお陰様で大好評を頂きまして、安堵した次第です。

"自分の作品のことをいちばん分かっていないのは作者自身"という、僕がよく人に言うコトに自分でまんまとハマっていました。最高のまとまり方をした11回目とは違うベクトルでググーンと突き抜ける作品を作ることが出来てよかったです。

これでイーラの残り10回は安泰！と行きたいところ。この先、僕にどんなことが起こっていくのかを僕はまだ知りえませんが、この世界の片隅で生きる凡人としての記録をイーラという作品を通して続けていきたいと思います。

人生は続く。