2022年W個展振り返り(1)
いつのまにやら6月になりました。少し体調も落ち着いてきたので5月のW個展のことを振り返ってみたいと思います。
最初に和歌山の”かまどの下の灰までギャラリー”さんから個展のオファーを頂戴したのが2021年9月のこと。和歌山に「イーラ」を持ってきて欲しいと、展示作品も指定のうえでのオファーでした。そもそも2021年11月に開催する「イーラ8」の撮影自体がまだ続いているような時期でしたので、「8」が出来上がっていないうちから「9」のことを考えるという具合になりました。
もちろんオファーがなければ例年同様にアビィで5月に「9」をするつもりでしたので、これを和歌山に持っていくとなればアビィのほうの展示予定が空いてしまいます。どうするか迷いましたが、もちろん答えは決まっています。同じ時期にアビィで別の個展をしてみようというコトになりました。
日程を調整したところ、たんに定休日の加減で1日違いとなるだけで、ほんとうに同じ日程で開催することになりました。しかも2週間の会期。まったく別内容の個展を地理的にも離れた場所で同時に行う経験はなかったですがチャレンジのし甲斐があるのは間違いないので、自らに困難な課題を与えてみる感じで準備がスタートしました。
と言ってもイーラ8が先にありますので、まずそちらに専念して・・・と思っていたら体調を大きく崩すことが度重なり、搬入直前にあわや入院というところまで・・・なんとか11月のイーラ8は予定通り開催できましたが、体調が良くならないまま年明けを迎えます。
というわけで準備期間は残り四か月。ちょっと温かい死体といった健康状態でしたが自分で決めたことはやり通さなければなりません。イーラ9の撮影を続けながら、新規撮影が無い大阪個展「ある晴れた日に永遠が見える」のほうを先に仕上げるという作戦で動き出しました。
まずは22年前の35mmカラーネガを引っ張り出して久しぶりのフィルムスキャン。150本余りのかなり劣化してしまったネガから600カットほどを拾い出して連日連夜の作業に勤しみました。普段は中判フィルムがメインですので、35mmフィルムを本気でスキャンするのは初めてのことに近く、クオリティの高いデータを作るのに苦戦しましたが、最終的に超高精細な画像を得ることが出来ました。
2月半ばごろにスキャン作業は完了し、後はセレクトとレタッチを並行してやっていき、大阪個展は4月アタマで完成させ、そこからイーラ9をギリギリまで作り込む!という算段でしたが、ここで体調が猛烈に悪化し3月の大半を棒に振ることに。
イーラ9の撮影は4月5日でなんとか目処をつけましたが、結局2つの個展準備をまったく同時に進める展開となりました。
しかしここからが驚くほど順調に(体調は死体同然のままでしたが)作業が進みました。困難を極めそうだったセレクト作業もそれぞれの個展で早期に突破口を見つけ出すことができ、2つの個展でどの写真をどんな順番で並べるか、なんと1週間程度で決まってしまったのです。半年以上に渡ってずっと潜在意識下で考えていたからこその結果だと思います。
あとは展示物を具体的に用意するだけなので(プリント直貼りですからプリンターで刷るだけ 、楽勝!)いきなり安全圏確実。それならばと大阪個展については販売用の写真集を作ることにし、これも思い立ってからわずか2日後には業者へデータ入稿するというスピード決着。準備の出だしから躓きまくったW個展でしたが、最後はスムーズに取りまとめることが出来ました。
と、だいぶ長くなりましたので、実際にやってみて思ったことはまた次の機会にまとめたいと思います!